お知らせ・日々のこと

ろんくまビジョンを語り合う会

2024.10.5

気がつけば、前回の記事から1年近い時間が経ってしまいました。その分も、というわけではありませんが、少し長めの記事となりますが、もしよかったらお付き合いください。

 

さて、振り返ってみれば、この1年は、これまでの活動の総まとめと、ろんくまがこれからどこへ向かっていくのかを考えさせられる転換期にあったんじゃないかと思います。昨年秋に全国過疎地域連盟会長賞を受賞した後、年末にかけて宿泊体験・交流施設の整備に向けた具体的な検討や意見交換会が行われ、さあいよいよ立ち上げに向けた準備を、というところで、元旦の能登半島地震が起こりました。

 

氷見市では震度5強を観測し、自宅の壁や屋根が壊れたり、獅子舞の練習場所だった昔の公民館が使用できない状態になってしまうなど、この地域も大きな被害を受けました。ようやく形が見え始めていた宿泊体験・交流施設の準備はいったん休止し、1年間先送りすることとなります。

 

そして季節は冬から春、春から夏、夏から秋へ。

地震から半年が経ち、8月末には昨年に引き続き農業インターンシップが開催されるなど、休止していた地域活動が少しずつ動き始めました。9月には秋祭りが行われ、観客の中には、以前ろんくまのインターンシップに参加された方の姿もあり、獅子舞の太鼓や笛の音とともに「おかえり」「ただいま」が村のあちこちで聞こえてくるような気がして、なんだか嬉しくなりました。

 

また、震災後に新たにろんくまに移住された方がいれば、移住を検討されている方々もいて。これまでにろんくまの皆さんが蒔いてきた種が少しずつ芽を出し、この地域に多様な森が育ち始めているのではないかと思います。

 

そんな今だからこそ、これから私たちはどこへ向かおうとしているのか、ろんくまビジョンを語りあう会を開催することとしました。

 

つらいことも、大変なこともあるけれど、楽しいことも、嬉しいことも、きっとある。

皆さんが、たとえ小さくても前向きな希望の灯を持ち寄ることで、それは大きな灯になるんじゃないかと思うのです。

 

今日の会が、そんなきっかけづくりの場になればいいなと願いつつ、ここで少し、インターンシップに参加した学生さんの感想と、秋祭りで青年団や地元の皆さんに行ったインタビューの中から、一部をご紹介したいと思います。

 

(宴会では)大根を作ってくださったり、一緒に踊ったり。宴会がすごく楽しくてお蕎麦も美味しくて、初めて感じたことでした。作業中も体調に気遣い、休憩時間を増やしてくださったり、方言で私が理解できないこともあったけれど、その都度教えてくださり、皆さんの温かさが身に沁みて感じました。皆さんとの交流が私の中での宝物です。本当に嬉しいことばかりで幸せ者でした。お世話になりました。また来年もお世話になります。ありがとうございました。

 

去年に引き続き、今年も暖かく迎えてくださりありがとうございました!暖かく励ましてくれる皆さんのお陰でまた少し自分が成長できたと思います。もっと成長して、また来年もこの場所で成長できればと思います。6日間、ありがとうございました!

 

自分は2年間ろんくまでインターンをすることができて、とても勉強になりました。学生としては、最後の参加になると思いますが、今後教員となった際、皆さまと何かできたらなと思っています。ろんくまで学んだことを生かして、今後の仕事に繋げていきたいです。また顔を出すこともあると思いますが、声をかけて頂けると嬉しいです!ほんとうにお世話になりました!

 

改めて今後の農業に必要なことと、問題化されていく人口減少に対応しなければと考えさせられた。しかし、ろんくまでは人柄の良さもあるとは思うのだが、需要がある人に情報や魅力が伝われば担い手も増えるのかなと思う気がしました。

 

人の温かさや素晴らしい田園風景など、昔ながらの日本の良い所がまだ日本にあったことを知れたのは自分にとって学びでした。

 

大好きです!いつも暖かく迎えてくださり、ありがとうございます。神奈川に帰った後もメンバーとろんくまの話をします。あそこは実家だねと、今の私たちに必要な場所だったねとだからこそ大事にしたいし、できることを考えたいと。

またろんくまに行った時は、皆さんとたくさんお話ししたいです。人生の先輩のお話が聞きたいです。「仲間を大事に」「またおいで」「大丈夫」と言ってほしいです。おいしいご飯もまた作ってください!なんでもお手伝いします。今回はろんくまでの貴重な経験をありがとうございました。

 

 

 

 

-明日はいよいよ本番ですね。

やっぱり祭りが楽しみなんですけど、ちょっとやっぱ本番ってことで、お客さんも来るっていうのは緊張してます。目標はやっぱり、みんな怪我なく最後まで殺しまで終えられることかなと思います。

 

-青年団へ一言お願いします。

人数少ないけど、楽しく、いい祭りになればいいなと思ってます。精一杯協力しますんで、がんばりましょう!

 

-笛という立場から、この獅子舞をどう見ていますか。

観客よりも近くで、練習からずっと近くで参加できて光栄に思います(笑)本当は中三までの笛やけど、大人になってもやらせて頂いて。15年目?かな(笑)

 

(お子さん)獅子舞だいすき。ママ言って。

 

すごいペースでふっとって、うでがあがらなくなってきとるんですけど、周りの声があるんで。結構盛り上がってて嬉しいですね。

 

まだまだ。先輩方から学ぶことが多くて、なかなか完成形には近づけないんですけど、先輩の背中を追いかけて、追いつけるようにがんばりたいと思います。

 

公民館で全部済ますように今年はしとるけど、まだ人はいっぱい集まってくれるし、論田の獅子舞はいいと思ってみんな来てくれるから、喜んどります。獅子舞は若い人ばっかりでやっとるけど、やっぱり年のいった人もかかってもらわんと、出来んようになってきたような気がします。(若い人も減って)だんだん難しくなっていくかもしれんね。神輿と太鼓台が出て賑やかなように見えるけど、めいいっぱい、みんなかかってもらわんと、できんからね。神輿の道案内が獅子舞やから。そういう感じもあって、獅子舞が出るなら神輿を出したい。そういう気持ちでやっています。

-青年団、壮年会のみなさんへ一言お願いします。

みんながんばってもろて、最後まで宮上がるまでがんばってもらえば、それで結構です。

 

次は自分達の代かなって。見てたら分かるんですけど、だいぶ大変そうです。けっこう色々、先輩方の名前も覚えきれてなかったり、そういうところもちゃんとしないと、話ついてけんかなって。けっこうまた世代交代がはじまるような感じなので。自分の上が10個上とか、だいぶ離れてるんで、もう世代交代かなって。

 

-団長、おつかれさまでした。

準備から何から、協力隊や地域の方々のサポートもあって、無事にうまく終われたんじゃないかなと思います。こんな地域のサポートがなかったら、祭りなんてできんがです。青年団だけでは無理なんです。青年団は少ないし、協力会がほとんどやけど、太鼓とか、盛り上げ役とか。色々とサポートしてくれて、感謝しかないです。

-最後、胴上げされていかがでしたか。

人生で初めてでした。変わった感覚やった。団長の花の時、親父が天狗振ってくれたんです。オオバイの時。ちっちゃい頃から親父の天狗姿見たことなかったんで、すごい新鮮やったんですよ。そこで特等席の真ん中で見れたんですけど、すごい感動して。親父と、弟も天狗になったんで、二人で団長の花振ってくれて、すごい感動しました。なかなか、こうやって親子で獅子舞振ってくれることなんてなかなかないことなんで。本当に感謝しかないです。すっごい感慨深くないですか。おやじが天狗の衣装つけて。みんなが自分のために一生懸命振ってくれとる姿を見て。支えられてるって感じがして。

 

住んでいる地域の方でも祭りをやらせてもらっていて、そこではカシラをやってるんです。そこで得たものをここでも活かせればいいし、論田で得たテクニック、知識を、あっちでも活かせればいいかなと。あっちでも、論田のカシラの振り方を天狗の目から見てて、こういうふうにやったらカッコいいかな、っていうのをやると、あっちの人も、論田の振り方が入ってるのか分からんけど上手いね、って言ってくれて。気持ちいなぁって。やっぱ、カシラ見ながら天狗やるんで。天狗目線の上手いカシラ。それが再現できてるかは、まだ分からんですけど、うまいこと再現できたらいいかなって。論田のカシラの振り方も取り入れながら、自分の色をあっちでも出していけたらいいかなって思います。

-獅子舞、大好きなんですね。

ぼくよりも、うちの息子の方が大好きかもしれません(笑)

-大きくなったらどんな子になるのか。

楽しみですね。論田でも振ってくれたらいいなって思います。続くかなぁ。うちの子がでっかくなった時も、論田では続いとるかなぁって。そういう気持ちもあります。

 

 

5年前に、この地域のビジョンを描くための座談会が行われた中で、

この地域の魅力は何ですか?

と地元の皆さんに質問すると、一番多い回答は「やっぱり人やね。」でした。

 

そうですよね、とうなづきつつも、他にはないのかな?ありがちなPRになるから、他の地域との差別化がしにくいんじゃないか、どう魅せたらいいのだろうかと、当時は頭を悩ませていたように思います。

 

あれから5年。今ならぼくも同じように答えます。

やっぱり人やね、と。

 

地域の外から来た人達は、ろんくまの人達と一緒に景色を眺めたり、汗を流したり、ごはんを食べたり、同じ時間を共有すればするほど、ろんくまの人達の優しさや、懐の深さを知っていくのだと思います。

 

今ここに住んでいる人達も、様々な事情があってここを離れた人達も、それでもこの地域が好きで、大切なものを守り、つないでいこうと、それぞれができることを一生懸命やっている。

 

これまでと同じことを、同じように続けていくのは難しい。それはきっと、みんな分かっていて、でも、それでも、少しでも楽しく、お互い笑顔で生きていきたい。

 

人口減少であったり、災害であったり、先の見えない未来への不安は、きっと誰もが抱えながら生きていて、それでも、人にやさしく、前を向いて生きている。

 

ここには、そんな人達がたくさんいるのだと思います。

 

ここに暮らす人が、これからも笑顔で、幸せに生きていけますように。

ここではないどこかに暮らす人がろんくまと出会い、それがその人の人生にとっても、ろんくまの人達にとっても、よい出会いとなりますように。

 

そんな願いを持ちつつ、さあ、今日はろんくまのビジョンを語り合いましょう。

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